ポータブル電源の定格出力を超えるとどうなるかご存じですか。
結論としては、定格出力を超えて使い続けるとポータブル電源は電力出力を停止します。
電源が落ちると言うとイメージしやすいかもしれません。
実際にポータブル炊飯器を使って実験してみましたので結果も是非見ていってください。
ちなみに私は容量・出力の異なる2種類のポータブル電源
【JVCケンウッド】BN-RB37-C(375Wh/104,400mAh/定格出力:200W)
【JVCケンウッド】BN-RB62-C(626Wh/174,000mAh/定格出力:500W)
を持っているのでそれで実際しました。
そもそも定格出力ってなんだかご存じですか。
ポータブル電源をいざ買おうと思っても、定格出力がいくつだとか瞬間最大出力がいくつだとか、さらには容量が・・・なんてことで、結局どのポータブル電源にすればよいか決められず結局買えないままでいる方も少なくないのではないですか?
違いを知らないままポータブル電源を買ってしまって、
・使いたい電化製品が使えなかった
・容量不足で長時間使えなかった
・前の日に充電したはずなのに、翌日充電が減っていて使えなかった
こんなことにならないように、定格出力や瞬間最大出力の話やどんなポータブル電源があなたに合っているか災害時の備え等ご紹介していきたいと思います。
定格出力とは?瞬間最大出力とは?
定格出力とは?
『定格出力』とは常時安定的に出力することができる電力の事を指します。
ポータブル電源の購入を検討する上で、『定格出力』は使用したい電化製品が使用できるか判断材料になる項目ぐらいに考えておけば良いです。
単位は『W(ワット)』で表されます。
確認の例としては、定格出力300Wのポータブル電源に消費電力200Wの炊飯器は、ポータブル電源の定格出力以内なので問題なく使えるということになります。
逆に定格出力300Wのポータブル電源に消費電力500Wの暖房器具は、ポータブル電源の定格出力を超えているため使えないことになります。
こんな感じで使われるのが『定格出力』であり、日常実は電子レンジとかでよく使っているあれです。
そして下の式のようになっていればほとんどの場合、その電化製品は使えると理解していただいて問題ありません。
定格出力 > 消費電力
ただし、例外もありますがそれが次の瞬間最大出力に関係があります。
瞬間最大出力とは?
『瞬間最大出力』とは、瞬間的に出せる最大の電力出力のことです。
電化製品の中ではスイッチオンの瞬間に一時的に大きな電力を消費しなければならないものがあります。
その一瞬に必要な出力の事だと思っていただければ問題ありません。
ポータブル電源を選ぶ上では実際のところはそんなに気にするものではないですし、電化製品のスペック一覧なんかにも瞬間最大出力が載っていないことが多いです。
検証!定格出力を超えるとどうなる?
【検証概要】ポータブル炊飯器編
定格出力を超えると本当に電化製品は使えないのか。
定格出力を超えても瞬間最大出力以内であれば実は使えるのではないか。
この2点を検証します。
実験に使用した道具
・ポータブル炊飯器(定格出力:300W)
・ポータブル電源(定格出力:200W、瞬間最大:400W)
【検証結果】
定格出力を超えると電源が落ちました。
そして、再度電源はつくのですが定格出力を超えるたびに電源は落ち、この繰り返しになりました。
その結果、ポータブル電源で炊いたお米は微妙にしかできあがらず、硬いお米を食べることとなってしまいました。
今回わかったことは、定格出力を超えると電源が落ちるということ。
そして、定格出力を超えても瞬間最大出力以内であったら使えるなんてことはなかったということです。
当たり前の結果でした。
瞬間最大出力以内であっても定格出力を超えていると落ちましたので、ポータブル電源は定格出力で選ぶことが大切です。
× 定格出力<電化製品
× 定格出力<電化製品<瞬間最大出力
定格出力別電化製品一覧
~200Wまで対応
小型の電化製品は大体200W以内となります。
意外と扇風機とかポータブル冷蔵庫は消費電力が少ないのです。
・ポータブル冷蔵庫(50W)
・スマホ充電(20W)
・扇風機(40W)
・ノートPC(30W)
・サーキュレーター(25W)
・ホットカーペット1畳用(200W)
200W~500W
キャンプで使えると嬉しいものだったり、主に熱を発するものが200Wを超えたあたりから使えるようになります。
・ポータブル電気ケトル(300W)
・ポータブル炊飯器(300W)
・ホットカーペット2畳用(480W)
・ホットサンドメーカー(500W)
・テレビ50型(250W)
・こたつ70センチ(400W)
500W~1,000W
生活家電も使えるようになってくるのが、500W以上の特徴です。
・セラミックファンヒーター(弱:600W)
・ホットカーペット2畳用
1,000W~
1,000Wを超えると暮らしに支障がほとんどなくなってくるのが特徴です。
・卓上IH(1,000W)
・電気ケトル(1,200W)
・ドライヤー(1,200W)
・セラミックファンヒーター(高:1,200W)
利用用途で考えるおすすめのポータブル電源
日帰り・1泊程度のアウトドアに最適
日帰り・1泊程度のキャンプだったり、バーベキューだったりそういった比較的短い間に使うものであれば、コンパクトモデルの『BN-RB37-C(定格出力:200W)』がおすすめです。
私は1泊2日のキャンプを良くするのですが、『BN-RB37-C』だけあればポータブル冷蔵庫やスマホの充電、電気ランタンを使用することができました。
容量的にも2日間使ってちょうど充電を使い切るという感じでした。
海に遊びに行った時もポータブル冷蔵庫を使いましたが、日帰りだったこともあり十分容量は足りました。
そのため、コンパクトモデルではありますが、2日アウトドアで使う程度であれば十分なポータブル電源だと思います。
2泊以上のプロキャンパーに最適
キャンプや車中泊などで2日以上連続使用して使う場合は、 スタンダードモデルの『BN-RB62-C』がおすすめ。
基本的には、コンパクトモデルの容量が増えたものなので、使わないときは消したりしながら上手に使っていけば2泊は全然問題ありませんでした。
コンパクトモデルとの1番の違いは定格出力が200Wから500Wに増えるので使える電化製品の幅が一気に増えます。
災害時の備えとして最適
災害時の備えとして使うのであれば、パワフルモデルの『BN-RB10-C』がおすすめです。
これはそもそも、「防災防疫製品大賞©2021」の非常用電源部門で最優秀賞を受賞しており一般社団法人 防災安全協会のおすみつきをいただいているのも安心ですよね。
災害時には情報がとにかく必要になりますが、スマホなら50回以上充電でき、ノートPCであれば大体15時間使うことができるようなので容量の面では申し分ありません。
電気毛布も10時間以上使えますのでなんとか冬の災害時でも乗り切れるのではないでしょうか。
地震・台風の停電復旧までの時間から考える
経済産業省の資料から地震と台風の災害時には、特殊な地域でない限り、停電は3日間で復旧すると考えておけばおおむねよいです。
すなわち、3日間耐えることができるポータブル電源は最低限必要だと考えます。 ギリギリ3日耐えることができればとお考えなら、スタンダードタイプ『BN-RB62-C』でなんとかなるでしょう。
しかし、震災の時は電気の他にもいろいろ考えることがあったりで大変だと思います。 やはり電気ぐらいは余裕をもって、パワフルモデルの『BN-RB10-C』が必要だと思います。
地震による停電の復旧にかかる日数
経済産業省の資料から東日本大震災時は発災後3日で80%の停電が復旧、8日で94%が復旧と時間を要したものの、阪神淡路大震災と熊本地震では、24時間以内で80%復旧しており、3日で95%以上の停電が復旧していることが分かりました。
参考:経済産業省【平成二十八年熊本地震における設備被害と停電復旧対応について】
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/denryoku_anzen/pdf/013_04_00.pdf
台風による停電の復旧にかかる日数
こちらも経済産業省レポートから2019年の台風15号80%復旧するまでに4日を要したものの、その他の大きな台風ではおおむね24時間以内で90%の停電が復旧しており、3日で大体が95%以上の停電が復旧していることがわかります。
参考:経済産業省【令和2年に発生した災害の振り返りと今後の対応について】
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/denryoku_anzen/pdf/024_02_00.pdf
まとめ
ポータブル電源は定格出力と瞬間最大出力があり、常時使用の電化製品の電力消費が定格出力を超えると落ちます。
定格出力 < 電化製品の電力消費量
ポータブル電源の中でもJVCのポータブル電源は自然消費が少なく、実際一度満充電したら少なくても3カ月以上は100%の状態を保ちますので、おすすめのメーカーです。
1~2日のアウトドア利用なら 『BN-RB37-C』
2~3日のアウトドア利用なら 『BN-RB62-C』
災害準備や3日以上なら 『BN-RB10-C』
以上、私が考えるJVCのポータブル電源の中ではおすすめでした。
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